尖閣ビデオは「秘密」に指定されてあったのか

海上保安庁の文書管理規則は、秘密文書について以下のように定める。
尖閣ビデオ(文書の一つ)は、秘密保全の必要度が高かったのであれば、「極秘」に指定されたはずである。「極秘」の指定者は主務部等の長である。最高裁判例は、「秘密」はその指定者が「秘密」に指定したという形式だけでなく、その内容が「秘密」に値するかどうか、実質を問題とするが、今回の尖閣ビデオは、そもそも形式として「秘密」に指定してあったかどうか、明らかにされるべきである。指定してあったとすれば、さらにその実質はどうかの議論へ進もう。以下は、海上保安庁の文書管理規則の秘密文書にかかる部分である。

 第7章 秘密文書の特例
 (秘密の保全
第42条 秘密文書は、他の行政文書と区別して取り扱い、当該行政文書の処理に直接関係のある者以外の者には、その内容を漏えいしてはならない。
 (秘密文書の区分)
第43条 秘密文書は、その内容の秘密保全の必要度に応じて、次の2種に区分するものとする。
(1)極秘 秘密保全の必要性が高く、その内容の漏えいが国の安全又は利益に損害を与えるおそれのあるもの
(2)秘 極秘に次ぐ程度の秘密であって、関係者以外には知らせてならないもの
 (秘密区分の指定等)
第44条 秘密文書の指定及び指定の廃止は、前条の区分に従い、極秘については主務部等の長が、秘については主務課等の長が行うものとする。
2 秘密区分の指定は、秘密文書である期間を明らかにして行うものとする。
 (秘密区分の表示等)
第45条 秘密文書には、当該文書が起案文書である場合は、秘密区分及び期間を起案用紙の該当欄に表示し、起案文書以外の行政文書である場合は、当該行政文書の秘密区分に応じ、右上部に表示し、当該行政文書の秘密取扱期間を表示するものとする。
 (秘密文書の複製等)
第46条 極秘に属する秘密文書は、複製してはならない。
2 秘に属する行政文書は、主務課等の長の承認を受けて複製することができる。
3 前項の規定により複製された行政文書についても、秘密文書として取り扱うものとする。
 (秘密文書の保管等)
第47条 主務課等の文書管理担当者は、秘密文書の送付先の一覧表を作成し、常に秘密文書の所在を明らかにしておくものとする。
2 秘密文書の保管は、当該行政文書の処理に直接関係のある者以外の者に漏えいしないよう厳重に行わなければならない。